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映画「湯を沸かすほどの熱い愛」感想。ちょっとだけ熱く語ってみたくなる。

こんなにも伏線を回収しまくる映画だと思っていなかった。あまりにも細かすぎる伏線たちに脱帽した。もしかたら気づいていない伏線もあるかもしれない。

 

タイトルだけで想像するに、ただ「愛」が気持ち悪いほど、綺麗に並んでいる映画なのだと思っていた。そういう映画も自己満足なだけの愛もお腹いっぱいだったのだけど、ただ出演者が好きだというだけで見た。

 

違かった。「愛」がテーマだということは、最初から最後まで、どこを切り取ってもわかるレベルだった。ただ気持ち悪くはならなかった。張り巡らされた伏線をものの見事に、人間の弱さと強さを描きながら綺麗に回収していたし、何より、ラストの伏線回収が笑えた。泣ける映画だと言われているけど、どうせ私は泣けないと思いながら観た私がバカだった。泣くんじゃなくて、笑う映画だった。ここ5年くらいで私が観た映画で、ここまでラストに驚かされた作品はないってくらい衝撃的だったけど、納得できるラストだった。

 

この映画、最初に現れるのがまさかのブラジャー。そのまさかのブラジャーまでもが伏線だとは思わなかった。そのブラジャーという小道具の使い方やブラジャーという伏線の回収の仕方が、とても美しかった。とても好きだと思った。伏線回収するそのシーンの杉咲花ちゃんの演技力に、感動して、息をするのを忘れるほど同情と尊敬が同時に押し寄せた。この映画のラストが、5年くらいで観た映画のマイベスト衝撃的展開1位なら、花ちゃんのブラジャーのシーンは衝撃的展開2位だと思う。
花ちゃんの優しそうな声は、ずっと聞いていたくなる魔力を持ってると思う。花ちゃんは私にとって、とても馴染む存在だ。簡単に言えば私は花ちゃんのファンだから、ちょっと誇張されたランキングかもしれない。

 

不幸要素詰め込みすぎじゃないだろうか?ラストまでそう思って冷めた目で見ていた私だけど、ラストが面白いラストだっただけに、湯を沸かすほどではないが、この映画ちょっと気に入ったなと思うくらいには熱くなった。

 

 ちょっとは熱く語れただろうか。