ほんとはどこにだって行けるんだ

旅の日記とか映画とかとか

映画「グッドモーニングショー」感想。「それから?」なオチは私の想像を浄化させてくれない

「グッドモーニングショー」を観終わって、すぐ思ったのは「終わり方」でバズっていた、先週最終回を迎えたドラマ「花のち晴れ」のこと。つまり、観たかったものが観られない終わり方。ラストシーンは絶対これじゃなかった方が良かったという確信。「それから?」と言いたいのは視聴者の方だ。

 

「グッドモーニングショー」の予告を見て、私は「面白そう」と思えた。「どちらかというと運がない方の平凡な人生を送っていた人が、いきなり"主人公"になる」みたいな映画やドラマって、たくさんある。学校イチのイケメンからなぜか告白されるとか、難解な事件に巻き込まれるとか。みんなそういう主人公というか、ヒロインやヒーローになることへの憧れがあって、私もその内の1人で、そこにあるワクワク感や日常が一気に輝き出す感じは、見ていて、とても楽しいし、面白い。私にもそういう時が訪れないかなと希望に満ちてしまう。多分、ないだろうとわかっていながら。

 

つまり、私は結構期待していた。期待しすぎてしまった。
「グッドモーニングショー」というタイトルなのだから、「朝のワイドショー」という明るさが取り柄のテレビ番組ということをもっと上手く使って、コメディーチックに笑い要素を詰め込んでくれるのかと思いきや、主人公は真面目に喋るおじさんなだけだし、犯人が犯人になった理由もしていることもただただ地味だった。

 

何よりオチである。
「朝のワイドショーを作る」という仕事がとても魅力的だったために、ちょいちょい現れる家族が私には蛇足だった。邪魔だった。なのに、この映画は「家族がテーマだったのよ。何より夫婦愛なのよ」と言わんばかりに、夫婦で終わってしまった。せめて、息子くらい置いておいて欲しかった。
私は、「グッドモーニングショー」で何かを語る主人公をオチとして予想していた。きっと「それから」にはあったはずの主人公のセリフを私は聞きたかった。事件に巻き込まれた後、何かが変わった主人公が見たかった。
私は「それから」が見たかった。

 

頼むから、私の想像くらい浄化させてくれ。

 

 

グッドモーニングショー